千葉市近郊在住のケアマネージャーのあなた。
転職を考えているなら、特にケアマネジャーとしてのキャリアを新たな職場に移す際は、後悔しない選択ができるように事前確認が重要です。
この記事では、ケアマネジャーが退職後に感じる後悔のエピソードをステップごとに具体的に紹介し、転職前にチェックすべきポイントを提案します。
1. 仕事内容と責任範囲を明確にする
「以前の職場では、ケアマネジャーに専念して患者さんのケアプランを作成し、家族とのコミュニケーションも担当していました。
新しい職場として求人情報には『ケアマネジャー業務全般』とあった、居宅介護支援事業所併設の施設へ入職しました。
しかしいざ働いてみると、ケアマネージャーに専念できず、介護の兼務もあり、事務所にいることが多いため、施設へ出入りする業者さんの対応も任されていました。
入職前に、具体的にどんな業務があるのか、責任範囲はどこまでなのか、詳しく聞いておけばよかったと後悔しています。
自分の役割がはっきりしない上に希望通りではないので、仕事へのモチベーションが下がっています。」
確認ステップ
・求人情報だけでなく、直接企業や担当者に仕事内容や責任範囲について詳しく聞きましょう。
上の例のように、兼任ではないか、雑用が少なくないか、踏み込んで尋ねてみることも必要です。
・企業のウェブサイトやSNSで、実際の業務内容や社員の声を確認しておき、内容についても同様に確認してみてもよいでしょう。
・面接時に具体的な業務例や、一日のスケジュールを想像できるように具体的に質問しましょう。
前職でのスケジュールを持参してみてもよいかもしれません。
2. チームワークやコミュニケーションの環境を確認する
「前の職場はチームで協力し合う環境でした。
今の職場には先輩、同僚ケアマネがいてもみんなが激務に追われていて、困ったことがあっても、仕事が滞り気味になってしまっていてもあまり干渉しない、非協力的な雰囲気が漂っていて、息が詰まりそうです。
また、派閥もあるので、なおさら人間関係で悩んで、仕事の効率も悪くなっています。」
確認ステップ
・企業文化やチームワークを重視するなら、実際にチームで働くメンバーに話を聞く機会を用意してもらいましょう。
・面接時に、そもそもチームワークを取り入れているか、また意思決定はどうしているか、メンバー間でのコミュニケーションの取り方や工夫について聞きましょう。
・社員同士の交流や、チームをまとめていく具体的な取り組みがあるかどうかを確認しましょう。
3. 給与面について確認する
「新しい職場では、前職よりも基本給は下がるものの、一年後に取得できる予定の主任ケアマネの資格手当てやPCスキルの手当てがあり、給与が上がる見込みだったので入職しました。
しかし、実際には、施設の業績により主任ケアマネ資格手当は廃止され、普通のケアマネ資格手当だけとなり、PCよりもタブレットでの業務遂行が職場全体で進められたためPCスキルの手当もなくなってしまいました。
その結果、給与は前職とほぼ同じが少し減少してしまいました。」
確認ステップ
・求人情報や企業のウェブサイトで、給与体系を確認しましょう。
一般的に基本給は簡単に変わりませんが、手当や残業は制限、廃止される可能性があることを心に留めておきましょう。
・面接時に、給与の交渉の余地、例えば手当または残業見込みを基本給にある程度反映してもらえないかどうかなど、聞いてみましょう。
・企業の給与体系、例えば勤続年数に伴う昇給について、また従業員の給与満足度について、面接に同席していらっしゃる社員がいれば意見を聞いてみましょう。
4. 施設によるケアマネ業務の違いを確認する
「前の職場では、居宅ケアマネとして常に利用者さんの自宅を訪れていましたが、訪問のアポ取りや突然のキャンセル、天候により移動が大変だったこともあって、楽に働ける訪問がない職場を選びました。
しかし、老健では、一人で約100人を担当しなければならない上、自宅での生活を維持するケアプラン作成とは異なって、在宅介護を目指すプラン作成に手間取り、しかも昼食時間帯に面談がかかりそうになると業務範囲外の食事介助まで手伝わざるを得ない状況でした。
さらにメインのケアマネは自分一人なので、頼れる先輩や同僚もパートさんしかおらず、自分のケアプランに自身も持てず、一人で抱える仕事の量、責任ともにプレッシャーを感じています。」
確認ステップ
・前もって居宅ケアマネと、有料、老健、特養のケアマネの違いは把握しておきましょう。
・求人情報や企業の説明会で、その施設でのケアマネの役割について確認しましょう。
できれば、現在の業務内容を提示して、異なる部分を具体的に教えてもらうことも必要です。
・複数のケアマネがいる職場であれば責任も分散でき、急な退職があったとしても利用者さんに大きな迷惑をかけることもありません。
複数のケアマネのいることのメリットも踏まえておきましょう。
企業のケアマネの人数配置や勤務体制、サポートの対応などについて聞いてみましょう。
5. 倫理的な考え方に共感できるか確認する
「新しい職場では、利用者さん目線ではなく、企業母体の事業展開のためか企業経営のためなのか、併設のサービス業者や特定の民間業者をケアプランに盛り込むことが暗黙のルールとなっていました。
ケアマネージャーは、公正に中立的な立場で利用者さんにサービスを提供するのではなかったのか、毎日自問自答する日々で、倫理的なジレンマに直面することが増えました。
自分の信念を曲げざるを得ない選択を迫られ、利用者さんのためになれていないことがストレスになっています。」
確認ステップ
・企業の理念や価値観、倫理的な考え方が、あなたの信念と合致しているかどうかを確認しましょう。
ホームページなどでは確認できないことです。SNSや口コミ、ケアマネ同士のコミュニケーションなど駆使して情報を集めましょう。
・どうしても魅力的な待遇なのであれば、一歩踏み込んで、倫理的なジレンマに直面した時の企業の対応やサポート体制についても聞いておきましょう。
・面接時に、自分の理念を主張し、さらに企業の倫理観についても直接質問し、異なる場合には企業側の考え方と歩み寄れる点がないかどうかを確認しましょう。
6. ワークライフバランスを重視する
「前の職場よりもかなり待遇面が魅力的だったので転職しました。
しかし、休暇が取りにくい雰囲気で、残業をする方が仕事ができるという風土でした。
また、休みの日の朝から自分の担当している利用者さんの家族から連絡が入り、電話対応をすることもありました。
平日の帰宅後に緊急連絡が入り、急いで利用者さんの自宅にかけつけた状況も一度や二度ではありません。
少なくとも前の職場では休みは尊重され、よほどの緊急事態でない限りは持ち回りで受け持っていました。
このままでは仕事とプライベートのバランスが崩れてしまいます。」
確認ステップ
・仕事の時間だけでなく、休暇や残業の扱い、働き方に対する企業の考え方を確認しましょう。
・企業のワークライフバランスに関する取り組みや、面接に同席していらっしゃる従業員の方の意見を聞いてみましょう。
・説明会や見学会を有効に活用して、実際の働き方や、残業や休暇の取得状況について情報を集めましょう。
まとめ
それぞれ具体的なエピソードを通じて退職時に必要なステップを紹介してきました。
これらのステップを確認することで、あなたの経験とスキルに合った職場を選ぶことができ、後悔のない転職となることを祈っております。
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