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看護師

NICU勤務ならではのエピソード

NICU(新生児集中治療室)と聞くと、どんなイメージがありますか?
NICUは早産で小さく生まれることなどにより集中治療が必要な赤ちゃんを受け入れる治療室です。
NICU勤務の看護師の仕事は、生まれたばかりの子どもの命に関わるという点でとてもデリケートな現場、といった印象があるでしょうか。
実際に働いてみて想像以上に大変であると悩む看護師も多いようです。
今回はそういったNICU勤務ならではのエピソードについてご紹介していきます。

NICU勤務でのやりがいとは?

専門的な技術とアセスメントが結びついたとき

NICUでは看護のより高い専門性が求められる環境で、専門知識を学んでいくことが必要です。
そして、学んだことを活かしたアセスメントが看護計画に反映され、患者さんの状態が改善した時にとてもやりがいを感じられます。
新生児という繊細な患者さんと関わることもあって大きな達成感を得られるのかもしれません。

患者さんの「声なき声」を理解できたとき

新生児は自身の状態を言葉で伝えることができません。
そのためNICU勤務の看護師には患者さんの些細な変化を察知し、見逃さない洞察力が必要となります。
バイタルサインの変動だけでなく、表情やしぐさ、動作などから心身の状態を読み取り、ケアにつなげられた時の達成感は看護師にとってとても大きいものです。

家族との絆を感じられたとき

家族との絆を感じられた時がNICU勤務ならではの魅力を感じられる瞬間とも言えます。
NICUでは患者さんだけでなく家族とも深い関わりを持ちます。
ケアの過程で一緒に悩んで一緒に努力した結果、ご家族から感謝の言葉をいただけた時は、特に携わっていて良かったと感じられる瞬間です。

NICU勤務で大変なこと

常に命と向き合っているという緊張感

デリケートな現場で常に命に向き合っていく緊張感がプレッシャーになってしまうことも。
新生児は自分の言葉で心身の変化を訴えることはできません。
ちょっとした環境の変化でも体調が変化してしまうので、看護師は些細な変化も見逃さないよう緊張感を持って勤務していかなければなりません。
小さな命を預かっている緊張感と責任に耐えられず働くことにしんどさを抱えている看護師は多いようです。

夜勤が大変であること

NICU勤務の大変さの一つに夜勤の大変さが挙げられます。
NICU勤務では一般病棟と違って、常に看護師が新生児のベッドサイドにつくことになります。
緊急入院の対応があったり、急変したりとフル稼働なので、夜勤の方が忙しい!なんてことも。
常に何が起こるかわからない状況の中で、緊張感を持っていなければならないので夜勤の精神的な負担が大きくなります。

特殊病棟であるため他の診療科にいけない不安

NICUは特殊病棟であるため、長く勤めていると転職しようと思った際に他の科へ転職できないのではないかという不安が起こりやすいです。
看護師としてNICU勤務の経験を活かすことができる場所はあまり多くありません。
特に、成人看護への転職は一から学ぶことになります。
特殊病棟であるがゆえの不安にも悩まされやすいようです。

NICU勤務あるある

名前のトレンドに強くなる

NICUに入院するのは新生児であり生まれたばかりの赤ちゃんです。
入院中に両親たちが子どもの名前を決めるとNICUのナースに伝えてくれるので、名前のトレンドに詳しくなります。
「この名前よく見かけるな」とか「今は少し古風な名前が流行っているのかな」など、看護師間で話題になることも。
NICUでは家族との関わりも多いため名前の由来を聞いてほっこりする場面もあります。

お母さんになっても安心だねと言われる

NICUでは看護師が毎日赤ちゃんのケアをするため、おむつ交換やミルク、抱っこしたりあやしたりするなど、治療以外のお世話も担います。

お世話に慣れてくると、周囲の人から
「お母さんになっても安心だね」「育児に強そうだね」
などと言われがちです。

NICUでは交代勤務でケアにあたっているため、実際に自分の子どもを24時間お世話するとなると、意外な悩みや想定外のことが起こったりするものです。

夜勤明けの日差しがまぶしく感じる

NICUでは早産で生まれた赤ちゃんをなるべく胎内に近い状態で過ごしてもらうため、環境調整をします。
胎内で赤ちゃんが感じる明るさに合わせ、NICU内の照度も暗く設定されています。
朝であっても暗めに設定されるため、長時間の夜勤を終えた朝に勤務が終わって外に出ると、日差しがとてもまぶしく感じるのです。
無事に夜勤を乗り切り「やっと帰れる」と安堵感を感じる瞬間といえます。

実際にあったNICU勤務でのエピソード

ここからは実際にあったNICUで勤務する看護師の体験談をお伝えします。

Oちゃんとの交換日記

<看護師Eさんの話>
NICUに入院する赤ちゃんは「普通」であれば当たり前にできること、例えば目を開ける、口からミルクを飲む、抱っこするなど。
本来は両親が経験する大切な瞬間が置き去りになってしまうことも少なくありません。

難病で入院していたOちゃんは生まれてから1年以上も入院し、初めてのクリスマスもお正月も誕生日も病院で迎えました。

そこで、EさんはNICUでの一瞬一瞬を写真にとって残すように。
そして毎日の様子を交換日記のように看護師と両親にノートに記載してお渡ししていました。

夜中の様子や大泣きしている表情、ちょっとした仕草などを写真にとって交換日記として残し、退院する際には大学ノート2冊分にもなっていました。

Oちゃんが小学生になった時、自分の赤ちゃんの頃の写真を持っていく授業があり、
「病院のママが作ってくれた交換日記を持たせたのよ」とお母さんが教えてくれました。

入院中は辛いことも悲しいこともたくさんあったけれど、そのアルバムのページどれもがご家族にとってかけがえのない宝物になっているそうです。

幼い子をなくすお母さんの覚悟

<看護師Yさんの話>
Aちゃんは生まれつき18トリソミーという染色体異常を持っていました。
18トリソミーは18番の染色体の異常により重度の小頭症や心奇形、知的障害、低身長などを伴う病気です。

ご家族はAちゃんの在宅療養を希望し、自宅に近い当院のNICU病棟へ転院してきました。

AちゃんにはDくん(5歳のお兄ちゃん)が1人います。
生まれてすぐに入院となったAちゃんに会うのを心待ちにしていましたが新型コロナウイルスの影響で一度も面会ができていませんでした。

しかし、Aちゃんは家に帰ることなく空に旅立ってしまいました。

Aちゃんが亡くなった後、DくんはAちゃんと面会することになります。
「Aちゃん寝てるの?もう起きないの?」
と状況に戸惑うDくん。

そんなときにご家族(お母さん)がDくんにこんな言葉をかけました。
「Aちゃんはね亡くなってしまったの。亡くなったっていうのはね、体が亡くなってしまうってこと。
でもね、体は亡くなっても魂はいつも一緒にいてくれるから。一緒に遊べないけど心は一緒だよ。」

Dくんが納得するまで何度も言葉をかけました。
Dくんがその言葉を受け止めたそのとき、Aちゃんの最期の時が告げられました。
幼い子どもを亡くしたご家族の覚悟は計り知れないものだったと感じるエピソードです。

呼吸状態の悪かったNちゃんの奇跡

<看護師Kさんの話>
生まれつき呼吸機能に異常があるNちゃん。
自宅での生活環境が順調に進み、退院を目指そうという段階まで来ていました。

しかし、ある日突然Nちゃんのバイタルが低下したのです。

すぐに挿管され、人工呼吸器に繋がれたNちゃんでしたが…
突如、心停止。
看護師Kさんと主治医で交互に心臓マッサージを続けます。

Kさんの当時の心境は
「私がこの手を止めたら亡くなってしまう。」
そんな死と隣り合わせの現場でした。

Nちゃんの波形はなかなか戻らず、そんな中ご両親が病室へ到着します。
もう無理かもしれない…

ご両親は泣きながらNちゃんの名前を叫んでいたその瞬間、
なんと、Nちゃんの心拍が戻ったのです!

それ以降、バイタルも落ち着き現在でもしっかりと生きてらっしゃいます。
子どもの持つ力と家族の強い絆が起こした奇跡だと感じるエピソードでした。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回はNICU勤務ならではのエピソードについてお伝えしました。

NICU勤務は大変そう、やりがいを感じられそう、様々な印象を持ったのではないでしょうか?
これから働いてみたい!と思っている看護師の方はNICUがどういった現場であるかの理解に少しでも役立てると幸いです。

家チカ!メディジョブでは、千葉県で看護師として働きたい方に向けた情報をお伝えしています。
看護師として働いている方はぜひご活用ください。

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