作業療法士の仕事をしていてよかったと思うことや大変だったこと、いろんなことを感じることがありますよね。
筆者も作業療法士ならではの仕事の良さや、人の生活を支えていくお仕事であるが故の大変さもたくさん感じながら日々業務に携わってきました。
作業療法士のお仕事での出来事は作業療法士同士でしか共感できないことがたくさんあるのではないでしょうか。
今回この記事では他の療法士ではわからない作業療法士だからこそ一度は経験する、あるあるネタを日常の場面ごとに分けてご紹介いたします。
作業療法士あるある〜仕事編〜
理学療法士と間違われる
患者さんや他スタッフと関わる際に一番多い経験といっても過言ではないかもしれません。
リハビリのイメージとして「歩行練習」と思われがちで、その代表的な職種である理学療法士の印象が強く間違われることが多いです。
看護師さんのカルテ記載にも「担当PTより〇〇〜」と間違われて記載されていたり、病棟で歩行や移乗について尋ねられたりして少し戸惑うといったことを経験したことがあるのではないでしょうか。
リハビリ中遊んでいると思われがち
作業療法のリハビリが「遊んでいる」と思われてしまうことも多い経験の一つではないでしょうか。
作業療法では「楽しさ」も取り入れて輪投げやボールなどを使用した遊び要素のあるリハビリを実施します。
そのため「これってリハビリになるの?」と言われてしまうことも。
リハビリの目的を説明して理解してもらうことが難しいですよね。
作業療法の遊び要素を全力で楽しんでくれる患者さんや、稀に「この作業はこの筋肉を動かす目的があるんですね!」とリハビリの目的を察して理解してくれる患者さんがいると嬉しく思ってしまいます。
「その人らしさ」を意識して患者さんの個性を出したリハビリをしがち
作業療法では「その人らしさ」を意識して趣味や日課となる作業を取り入れることも多く、患者さんの個性を出したリハビリを実施する機会も多いのではないでしょうか。
お料理が好きな患者さんは実際に料理を取り入れたり、スポーツが好きな患者さんはスポーツ要素を取り入れてみたりと職業柄上「その人らしさ」を意識してリハビリメニューを考えます。
筆者も60歳でゴルフを始めた患者さんを担当した際に、ゴルフの振りで上肢の強調動作を改善するようなリハビリを実施したり、ゲームが好きだった脳卒中の患者さんにゲーム要素のあるアプリケーションで認知機能トレーニングを行ったりしました。
作業療法士あるある〜職場スタッフ編〜
病院では年代がベテランと若手に分かれがち
病院では比較的年代層がベテランと若手に分かれるという職場も多いのではないでしょうか。
若手のうちは病院で経験を積み、その後次のステップを踏んで転職するため中堅層の年代があまりおらず、ある程度他の領域でも経験を積んできたベテラン作業療法士が再び病院で経験を積むために働くことでそういった状況に至ります。
まだ経験としては浅く若手であっても、比較的重症患者を担当したり教育役を任されたりと中堅層と同じような役割を担っているスタッフも多く「自分まだ若手だっけ?」と経験値の相場がわからなくなってしまう感覚をもつこともあるでしょう。
(作業療法士は変人!?)個性あるスタッフが多い
作業療法士は(良い意味で)個性的なスタッフが多いということも感じたことがあるのではないでしょうか。
作業療法士になる人は生活に関連する「作業」を仕事で扱うため職人気質な人も多いです。
また患者さんのリハビリでも「その人らしさ」などを重視することから個性を大事にするようなスタッフが多く、そういったことが影響しているのかもしれません。
スタッフ同士のアットホーム感がつよめ
同職種の理学療法士と比べても比較的アットホーム感が強いという職場も多いように見受けられます。
理学療法士と比較すると作業療法士の方が少人数であることや、職業柄「楽しさ」「QOL向上」といったことを大事にするような文化があるためスタッフ同士もそういった関わりを意識しやすいようです。
筆者の職場ではお昼休みはADL室内を使用して作業療法士みんなで会話しながらご飯を食べることが多かったです。
OT同士比較的和気藹々と過ごしていたように思います。
作業療法士あるある〜マニアックだけど作業療法士ならわかる!編〜
日付が思い出せないと「見当識障害」と言いがち
患者さんに認知機能検査をする機会が多いですが、普段の生活の中で日付が思い出せないと「見当識障害」と重ねて考えてしまうことも。
他の作業療法士が日付を間違えると「見当識大丈夫?」と冗談で言ってしまう、といったこともあるあるではないでしょうか。
見当識といったことを含め、認知機能に関連した知識が豊富であることも作業療法士の特徴の1つです。
100から7を引くスピードが速い
長谷川式簡易知能評価スケールやMMSE(ミニメンタルステート検査)による認知機能評価の検査項目に含まれる「シリアル7」の課題。
何度も検査を実施することが多いためシリアル7の計算は日に日に早くなっていきます。
筆者は将来もし自分自身が認知症になってテストしたとしても瞬時に答えられるぐらいの自信がついています。
STEFを1度ではうまく片付けられない
身体障害領域で働く作業療法士なら一度は検査をしたことがある「STEF(簡易上肢機能検査)」。
使用した後、片付けが1度ではうまくいかなかった経験があるのではないでしょうか。
検査用具である大きなブロックやボールをSTEFの土台を畳んだ隙間に並べて収納しなければいけないのですがうまく入らずに片付けに手こずることが多く、患者さんを少し待たせてしまうということも。
筆者は何度片づけても片付けるスピードは向上しませんでした。
作業療法士というと手先が器用であると思われがちですが、筆者は実際自分があまり器用でないことを働いているときに痛感しました。
作業療法士あるある〜日常生活編〜
リハビリに使用できそうなものを集めがち
リハビリで使用するためにあらゆるものを集めてしまう作業療法士の方は多いのではないでしょうか。
お菓子の入れ物やラップの芯など通常であれば捨ててしまいそうなものを置いておいたり、100円ショップでリハビリに使用できそうなものを購入したりするのが日常になります。
また、作業療法士は生活動作を補助するための自助具を作成する機会が多いことも特徴の1つです。
割り箸と洗濯バサミを使用して自助箸を作成したり、ファイルと紐を使用して靴下を履くためのソックスエイドを作成したりするため、自助具で必要な品物をついついストックしてしまうこともあります。
仕事何してるの?と聞かれて説明するのが難しく感じる
初めて会ったひとに仕事内容を聞かれて説明が難しく感じてしまうということも一度経験があるのではないでしょうか。
作業療法士を知らない方に「作業療法士のお仕事をしている」と伝えてピンとくる方は少ないです。
筆者は詳しい仕事内容を1から説明するのを億劫に感じてしまうときは「リハビリの仕事」とか「病院で働いています」など抽象的に伝えてしまうことも多いです。
とはいえ作業療法士の仕事の魅力的な部分はたくさんあるのでもっとお仕事を知ってもらえたらいいなと思っています。
作業療法士を知っている人がいるとなぜ知っているのか詮索する
一般に作業療法士の仕事を詳しくわかっている人は少ないため時々知っている人がいるとなぜ知っているのかが気になってしまいます。
そして知ってくれているとわかると嬉しくなります。
知り合いに作業療法士の人がいたり、作業療法士のお仕事を知っていたりするだけでその人にとても親近感が湧いてしまうこともあるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は作業療法士ならではのあるあるを場面別にご紹介させていただきました。
同じ作業療法士の仕事をする立場から、それわかる!と共感できるような機会になればいいなと思います。
家チカ!メディジョブ千葉版では千葉市にお住まいの作業療法士の方のために共感できるあるある情報やちょっと笑える情報などを掲載しています。
また転職を考えている方や、今は考えていなくても将来的には考えたいという方にとっても役にたつ情報がたくさんあります。作業療法士のお仕事生活を支えるためのツールの1つにぜひご利用ください。
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