世界中に猛威を振るい続けた「新型コロナウイルス」。
令和5年に「5類感染症」になり、感染対策については法律に基づいた行政が指導・要請する対応策ではなく、個々の判断に任されるようになりました。
私たちの生活もコロナ前の状態に戻りつつあり、医療現場も感染対策が緩和され、
落ち着きを取り戻してきました。
コロナ後に医療事務として日々仕事をしていく中で、これからの自分のキャリアについて
ふと考えることはありませんか?
ある程度の経験を積んできたけれど、「このまま医療事務として働き続けてもキャリアアップができるのかな?」と転職という文字が頭をよぎる人も多いかもしれませんね。
今回は、コロナ後の医療事務の転職市場の変化やキャリアアップについて解説してみました。
医療事務の経験を活かせる別の仕事へのキャリアチェンジや、条件に合った理想の働き方ができる求人の探し方についても紹介しています。
医療事務の経験を活かしてキャリアアップをしたいな、と思っている人はぜひ参考にしてくださいね。
コロナ後の医療業界・医療事務の転職市場の変化とは?
コロナ後の医療業界・医療事務の転職市場に起きた変化は以下の通りです。
・医療事務の採用が難しくなっている
・医療事務の採用条件の見直しが積極的になっている
コロナを機に労働者をとりまく社会の変化が、医療事務の採用にどのような影響があるのか見てみましょう。
医療事務の採用が難しくなっている
コロナ後の医療事務の採用はコロナ前に比べて難しくなっています。
クリーンで働きやすそうなイメージの医療事務は、コロナ前は求人広告を出せばすぐに応募者が集まる人気の職種でした。
コロナを機に他業界ではリモートワークが積極的に導入され、リモートワークの「働きやすさ」を求めて他業界へ人材流出したことが医療事務の採用を難しくしているのです。
リモートワークは子育て世代や体力に不安を感じるシニア世代にとって、
家庭との両立がしやすく、体力に負担が少ない理想的な働き方ですよね。
しかし、医療事務にリモートワークを導入することは難しく、コロナ前と比べてコロナ後は採用が難しくなっているのです。
医療事務の採用条件の見直しが積極的になっている
医療事務職を安定して確保することは病院経営には欠かせないため、医療事務の採用条件の見直しを積極的に行う傾向が強くなっています。
給与アップや時短勤務などの柔軟な働き方を導入することは、人材を確保するために必要なことでしょう。
医療事務の平均年収は他業界の事務職と比べて低めの水準と言われ、医療事務より年収が高く、リモートワークができ、土日祝がきっちり休めるお仕事に転職してしまう人も少なくありません。
他業界への人材流出を防ぐために、医療事務の採用条件の見直しが積極的に行われているのです。
医療事務からのキャリアアップにおススメのお仕事はコレ!
医療事務の経験が活かせる、おススメのお仕事を3つ挙げてみました。
・医療コンシェルジュ
・ケアクラーク
・診療情報管理士
医療事務の経験を活かし、サービス系やIT系の職種へのキャリアチェンジも可能です。
年収をアップさせるチャンスにもつながるかもしれませんね。
医療コンシェルジュ
主に総合病院に勤務し、来院される患者様やご家族の方に医療機関で快適に過ごしていただけるためにトータルサポートをする、医療機関の「接遇のプロ」とも言えるお仕事です。
受付や会計の際のサポートや、院内フロアのご案内やご説明、診察の受付や検査予約などの手配も行います。
また、医療コンシェルジュは、紹介元の医師との情報連携や担当医師や看護師と患者様のパイプ役となることもあります。
現在では、医療の質の高さに加え接遇の高さも求められ、「患者様に選ばれる医療機関」を目指すために重要な役割を担うお仕事として、やりがいを感じたい人におススメです。
ケアクラーク
介護保険が適用される介護施設や特別養護老人ホームのオフィスでの勤務で、介護の現場で業務を行うことはありません。
介護事務のスペシャリストとして、介護報酬の請求業務、介護業務に必要な書類の手配や作成、介護士の方がスムーズにお仕事ができるような補佐的な役割も担います。
医療事務と比較しても業務範囲が広いため介護業務に関する幅広い知識の習得が必要です。 診療報酬請求など医療事務の経験をダイレクトに活かし、さらに、介護領域での専門知識を身に付けたいスペシャリスト志向の人におススメです。
診療情報管理士
大学病院や総合病院など、病床数の多い医療施設に勤務し、診療情報をデータベースにまとめ、統計資料を作成し、医師の医療行為のサポートをするお仕事です。
また、統計資料をもとに経営状況の把握や改善点の見出しなど、経営分野にも関わるお仕事とも言えます。
大型の病院では電子カルテの導入などIT化が進んでおり、診療情報管理士の需要は年々高まる傾向があります。
医療現場で数字分析や情報処理、パソコンスキルを身に付けスキルアップを目指したい方におススメのお仕事です。
医療事務でキャリアアップを成功させるための3つのポイント!
医療事務でキャリアアップを成功させるためには、以下の3つのポイントが大切です。
・キャリアアップに役立つ資格を取得する
・スキルアップ講座に参加する
・別の医療機関に転職する
自分の方向性を明確にし、キャリアアップを成功させるために行動することが重要です。
キャリアアップに役立つ資格を取得する
収入やキャリアアップ、転職の際に役立つ資格をいくつか挙げてみました。
・診療報酬請求事務能力試験
・医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
・医療事務管理士技能認定試験(医療事務管理士)
医療事務の実務経験を有する人が上記のような資格を取得することは、キャリアアップの成功への近道だと言えるでしょう。
資格取得をすることで知識を身に付けたり、最新の医療事務の情報を得たりできます。
また、資格取得をした際には「資格手当」として収入アップにつながる可能性もあります。
医療事務の仕事は担当業務が限定的になりがちですが、資格を取得することで業務の幅が広がるキッカケになり、キャリアアップにつながっていくでしょう。
スキルアップ講座に参加する
スキルアップ講座とは、医療事務関連の資格取得や、電子カルテ操作のような医療事務業務に関連する特定のスキルを取得することを目的とした講座です。
スキルアップ講座に参加することは、医療事務のキャリアアップの成功につなげるために大変有意義です。
講座の参加は1日~数日に限定されていることが多く、働きながらスキルアップを目指す人に適しています。
自分の興味のある講座に1日~数日参加しただけで、いろいろな学びがあります。
同じ目標を持つ参加者とつながることでモチベーションも上がるかもしれません。
積極的に講座に参加し、多くのことを学び刺激を得ることがスキルアップにつながっていくでしょう。
別の医療機関に転職する
キャリアアップを成功させるための手段として転職することは非常におススメです。
今の職場で自分の思うキャリアアップができないのであれば職場を変えるしかありません。
たとえば、総合病院のように規模の大きい医療機関は一般企業と同じく組織で構成され、医療事務でも役職が設けられています。
経験を積み重ね役職があがるとキャリアと年収アップを実現できます。
明確な目標があれば、キャリアアップの成功のために積極的に転職を検討してみましょう。
医療事務でキャリアアップと年収アップを実現しよう!
医療事務は、他業界の事務職と比べて給与水準が低いと言われています。
勤務先や雇用形態を変えたり、役職が上がったりすることでキャリアアップや年収アップが実現できるかもしれません。
都道府県別平均月給ランキングで千葉県は全国で3位
2023年1月の掲載求人における都道府県別平均月給ランキングによると、千葉県の医療事務の平均月給は全国で「第3位」でした。
都道府県 | 平均月収 | |
第1位 | 東京都 | 22.6万円 |
第2位 | 神奈川県 | 22.2万円 |
第3位 | 千葉県 | 21.6万円 |
引用:コメディカルドットコム
4位以降は、埼玉県が21.2万円、大阪府が20.8万円と続き都市部が高くなっているようです。
千葉県は全国でも医療事務職の給料が高いので、キャリアアップで更なる収入アップを目指しましょう。
医療事務でも年齢や医療機関によって給料が違う
医療事務は経験年数が給料に反映されやすく、年齢が高くなるほど給料が高くなります。
また、医療機関の規模や雇用形態の違いによっても給料の違いが見受けられ、同じ経験年数でも給与の違いも生じてきます。
dodaの調査によると、20代の平均年収が約260万円に対し、30代は約300万円です。
国立病院の平均年収は約490万円ですが、個人クリニックだと約300万円となり、かなり大きな差がありますね。
出典:doda|平均年収ランキング(平均年収を検索)【最新版】
経験年数や勤務先、雇用形態によっては他業界の事務職と同じ水準の給料を得られる可能性は十分にありますね。
条件にあった医療事務求人の探し方を見つける
自分の条件に合った求人の探し方を見つけることが、転職活動をする際に最も重要なポイントです。
求人の探し方がわからないと、自分の条件に合った求人と出会えないですよね。
今は数多くの転職サイトがあり、どれを利用すればよいのか迷っている人が多いのではないでしょうか。
自分の条件に合う求人が掲載されている求人サイトに出会うことが、収入アップやキャリアアップにつながる貴重な第一歩だと言えます。
まとめ
本記事では、医療事務のキャリアアップ戦略についてまとめてみました。
キャリアアップと言っても漠然とした考えしか思い浮かばず、自分がどうなりたいのかが明確にならない人が多いのではないでしょうか。
自分のことが一番わからないですよね。
医療事務の経験を活かして次のステップを目指そうと思った際に最も大切なことは、具体的な求人情報を得ることです。
医療事務の経験を活かせる仕事の詳細を知ることで、自分の思うキャリアの方向性が明確になると言っても過言ではありません。
キャリアアップをしたいのに具体的に何も進まないと悩んでしまったときは、医療事務に特化した求人サイトの利用をおススメします。
まだ出会っていないステキなお仕事が、みなさんとの出逢いを待っていますよ。
本記事が、みなさんのキャリアアップの成功にお役に立てれば嬉しいです。
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