ディズニーリゾートは夢を与える「夢の国」ということは皆さんご存知でしょう。
その夢を与えるのはディズニーキャラクターだけでなく、パーク内のキャストもゲストに対してのおもてなしで来園した日がゲストの素敵な思い出の詰まった1日になるようなお手伝いができます。
もちろんナースキャストも同じです。
ナースキャストは他のアトラクションなどのキャストに比べて実際にゲストと関われる場面が少ないですが、関わりが少ないからこそその時の対応の仕方でゲストにどういった印象を与えられるかが重要になってきます。
体調不良や怪我で救護室を訪れるゲストにとって、せっかく楽しみにしていたディズニーでの時間がその体調不良や怪我によって気持ちが落ち込んだり、不安になったりしてしまうこともあるでしょう。
ナースキャストのやりがいはそのようなゲストがもう1度笑顔でパークへ戻って行けるお手伝いができるということです。
この記事では実際にディズニーランドのナースキャストとして勤務していた私が実際に体験したゲストとのエピソードをいくつかご紹介していきます。
1.ゲストを1番に思う気持ちを心がけた対応を
12月のクリスマスシーズンのことでした。
ミラコスタ泊ができ、今回のディズニー旅を楽しみにしていたと言われていたご夫婦がいました。
12月はご主人の仕事が忙しかったが何とか乗り越えての、夜中3時出発、自動車運転3時間でパークへ来られたそうです。
無理がたたってしまったのかご主人がダウン。
ひどい頭痛を訴えており、体温を図ると微熱程度の発熱がありました。
救護室に駆け込んで来られ、お薬を提案し内服して一旦落ち着いていただきました。
落ち着いた後に問診をさせていただき、緊急性はなかったためホテルでゆっくり休めば明日もパークを楽しめるのではないかとお話しさせていただきました。
その日そのご夫婦は早めの退園をし、翌日朝に救護室を尋ねてこられました。
その時に「問診や受け答え、そして何より、優しい笑顔。大変安心しました。幸い、主人は薬を飲んで一晩ゆっくり眠ったら、すっかり落ち着きました。白衣の天使はパークにも居るのだなあと、本当に助けて頂きました。これからも素敵なナースキャストさんでいてくださいね。」とお声をかけていただき、この仕事の本当のやりがいを感じた忘れられない出来事になりました。
2.対応したゲストへのフォローを忘れない
救護室をお母さんと一緒に訪れた小学1年生の女の子を対応した時のエピソードです。
ディズニーランドで今回初めて体調不良になってしまい、近くのベンチで休憩をしてみたがあまり回復がよくないため来たとのことでした。
発熱もなく気怠さ以外の症状もなかったため、様子を見ようと小一時間程度ベッドに横になってもらうように案内しました。
その後女の子は顔色良く体調が回復し、お母さんには今後パークへ戻った時に注意して観察して欲しいことや、また体調不良になった時はいつでも休憩をしにきてくださいとお伝えし、女の子へのささやかなフォローとしてディズニーランドとミッキーよりお手紙をお送りさせていただければと説明し、女の子には内緒で住所を伺いました。
回復後女の子は無事にパークへと戻りその日を楽しめたとのこと。
後日ご自宅に「調子はどうですか?またお待ちしております!」とミッキーと連名でメッセージを添えてお送りしました。
するとお母さんより電話をいただき、女の子はとても喜んでいて将来はナースになりたいと言っているととても素敵なお話しを聞かせていただき、自分も夢を与えられる仕事をしているんだと改めて実感できました。
3.パーク内での声かけを心がけた
1日に何人もの体調不良を訴えるゲストが訪れる救護室ですが、応対後に笑顔でパークへ戻れた後も交代で再度同じ方が体調不良になっていないかなどの見回りを含めた巡回を行うこともあります。
その時に、救護室を訪れて対応したゲストから声をかけていただき、「楽になったよ。ありがとう」と笑顔でまたパークを楽しんでいる姿をみると、この仕事をやっていてよかったと心の底から思います。
また、ディズニーランドでのナースキャストとして働き始めて間もない頃に、救急対応をした子供のエピソードですが、ちょうどイベント開催時で、パーク内もドタバタしていました、
ナースキャスト全員が誰かしらの対応に追われていて、もうカオス状態でした。
その日は何度帰りたいと思ったことか・・・。
そういった中でもその子の状態を落ち着いて観察してきちんと寄り添った対応をすることができたことで、その後パーク内で会った時にご両親の方からも「本当にありがとうございました。」とお礼を言っていただいたときは、「やりきった!」と思えて本当に嬉しかったのと達成感で胸がいっぱいになりました。
4.元気になったゲストの笑顔が活力になる
笑顔や元気を与えるのはもちろんキャストの仕事です。
ですが、私達ナースキャストを含めたキャスト達はゲストから元気をいただいていることもたくさんあります。
救護室の場合、想像できるように体調不良や怪我をしたゲストを看護・サポートをして不安を和らげ、また元気にパークへ戻りその日を楽しんで最高の1日にすることです。
私が勤務していた時も実際に自分自身や他のナースキャストとの話の中でも、そのような場合がほとんどでした。
しかし、自分達ばかりが元気を与えているわけではなく、きちんとゲストに寄り添って適切な看護や対応を心がけて実施することで、ゲストが元気になり笑顔を取り戻してその笑顔や感謝の言葉が私たちキャストを元気づけています。
つまり、ゲストやご家族の笑顔にキャスト達が日々活力をもらっているのです。
なので当たり前のことではありますが、救護室に来たゲストがその後安全・安心にパークに戻れるようサポートしていくということを忘れず、 休養や傷の処置を終えてパークに戻っていくゲストやご家族の笑顔がたくさんみられるように私たちナースキャストは日々業務を行っていました。
5.まとめ
ディズニーランドを含めたテーマパークのキャストに共通して言えることは、「ゲストに笑顔で安全にその日1日を楽しめること」です。
その中でもナースキャストは専門性の高い技術と幅広い知識が求められ、対応によってはゲストのパークに対しての満足度も変わってくる可能性もあり得るかもしれません。
必ずしも夢を与えるのがパークのキャラだけだというわけではなく、小さい頃に優しくしてもらったキャストや病気を治してもらったナースというのは強く心に残ることでしょう。
子ども達に夢を与えられる存在になるためにもまた、全ゲストに笑顔で楽しい1日にしてもらうためにもナースキャストというお仕事を通して心を込めた対応や業務に責任を勤務にあたることが大切です。
だからと言って、必要以上に身構えることはせず今までの看護師として働いてきた自分の知識と経験に胸を張って勤務にあたってもらえればと思います。
あまり想像がつきにくいテーマパークのナースキャストというお仕事ですが、病棟やクリニックでの勤務とは全く違う貴重な経験ができるとっても素敵な職場です。
自分も夢を与えられるような存在になりたい!、たくさんの人を笑顔にしたい!と考えている方は、ぜひ応募してみてくださいね。
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