整形外科と聞くと骨折などの運動器疾患のイメージがありますよね。
運動器疾患の患者さんは比較的回復していくこと多く明るい雰囲気の印象があるかもしれませんが、実際にはどうなのでしょうか?
今回は整形外科ってどんな雰囲気なの?と思っている方や現在働いている方に向けて、整形外科あるあるについてお伝えしていきます。
整形外科あるある〜看護師編〜
疼痛コントロールや包帯を巻く達人に
運動器の患者さんの日常的なケアである疼痛コントロールと包帯法は必然と職人技に。
疼痛コントロールは患者さんの生活の質を向上するためにも重要です。
内服や坐薬、湿布などあらゆる痛み止めを使用するため患者さんのケアをしていくうちに痛み止めに詳しくなってしまう方は多いのではないでしょうか。
運動器疾患の患者さんのほとんどが必要な処置である包帯固定は受傷部を保護や固定する目的でも大切です。
ベテラン看護師にもなると驚くほどの速さで行えます。
患者さんから「丁寧でいいね」と褒めてもらえると嬉しく思ってしまいますよね。
血栓という言葉に敏感になる
整形外科後の患者さんは手術の影響で安静にする期間が必要であることも多く血栓ができやすくなります。
血栓は肺塞栓や脳梗塞を引き起こす可能性があるため血栓予防が大切になってきます。
夜勤のラウンドで体位交換をした後、「血栓」が原因で患者さんが朝方亡くなっていたことがある、という話が語り継がれる病棟も。
それだけ血栓が怖いということを肝に銘じて業務に当たっているようです。
体位交換が上手くなる
整形外科の患者さんは安静が必要であることから褥瘡のリスクもあり、体位交換が必須です。
身体の受傷した部位に直接負担をかけないようにクッションや枕などで調整します。
また手術後は、禁忌肢位といって脱臼などのリスクがある姿勢にも配慮する必要があります。
例えば、大腿骨頭置換術を行った患者さんの場合は、股関節を過度に内向きにする姿勢は脱臼リスクがあるため、そういった姿勢はとらないようにポジショニングします。
患者の様々な状況を踏まえて行う必要があるため自然と体位交換が上手くなるでしょう。
整形外科あるある〜病棟編〜
病棟の雰囲気は比較的明るい
整形外科の患者さんは痛みや怪我に苦しんでいる方もいます。
ですが基本的には治癒する疾患であることが多く、病棟の雰囲気は比較的明るい傾向にあります。
生活動作を向上していくためのリハビリも積極的に行っている患者さんが大半です。
とはいえ、整形疾患でも回復しにくい疾患や、他の内部疾患を抱えた患者さんもいらっしゃいます。
骨や筋肉にできるがん(骨腫瘍や軟部腫瘍)を患った患者さんでは病態が重症化する可能性もあるでしょう。
比較的明るく元気な患者さんが多い中にも、病気で苦しむ患者さんがいることも念頭に入れ、それぞれの患者さんの立場に立てるようにしましょう。
緊急オペ・緊急入院が多い
骨折などの怪我は突然起こるため、緊急入院や手術が多いこともあるあると言えるでしょう。
1日に数件入院を受け入れることもあるため、病棟が目に見えてバタバタしていることもあります。
そんな際に歩行練習時間の変更を快くしてくれる患者さんには助けられます。
転倒予防の毎日
整形外科の患者さんは「安静度」といってどこまで生活動作を行って良いのかという指示が決められていることが多いです。
しか安静度を守ることができず転倒してしまうことも。
例えば
下肢の骨折の患者さんでは、初めは免荷→その後1/3荷重→全荷重となり荷重量に合わせた歩行を行う必要があります。
しかし荷重制限を守れず下肢機能の改善が不十分なうちに歩いてしまい、転倒するといったことが挙げられます。
認知機能の低下のある患者さんや、自身の能力を過信してしまう患者さんでは特に転倒のリスクが高く、転倒予防への対策や意識づけが大切です。
整形外科あるある〜患者編〜
雨の日は転倒した患者さんが運ばれてくる
雨の日は転倒が多く、それに伴い患者さんが整形外科病棟に運ばれてきた、ということも経験も多いのではないでしょうか。
6月の梅雨の時期や、冬の雪が降る期間では特に転倒が多くなります。
反対に天気が良い日の外来などでは患者さんが少なく、時間にゆとりがあるということも。
整形外科疾患は周囲の環境が影響して受傷することも多いため、天候状況によって患者さんが増減することがあります。
おしゃべりな患者が多い
整形外科の患者さんは安静によってストレスが溜まることもあってか、おしゃべりな人が多い印象があります。
意思疎通ができる人が多いということもありますが、安静と言われてもすることがない、退屈だといった訴えもよく聞かれます。
大部屋の病室の患者さん同士が女子会かのように会話が盛り上がっているような風景も見受けられ賑やかなことも。
入院患者さんにとって他者と交流することがストレス発散の一つの方法にもなっているでしょう。
ナースコールはほとんどがトイレ介助
整形外科の患者さんは緊急的なコールよりもトイレへの移送や、ベット上安静の場合は採尿やおむつ交換で呼ばれることが多いです。
若い患者さんだと遠慮してしまいギリギリまでナースコールをしないこともあるでしょう。
トイレの介助自体は時間がかかるケアではないですが、就寝前や夜勤帯の人手の少ない時間帯ではトイレ介助が入れ替わりで続いてしまうこともあります。
整形外科あるある〜番外編〜
セラピストと仲良くなる
生活動作の向上のために必要なリハビリ。
整形外科の看護師はセラピストのリハビリ内容や進行度を把握した上で、患者さんの病棟での生活が安全にできるように介助します。そのためセラピストとはコミュニケーションを密にとる必要があります。
病棟やカンファレンスなどの場でも顔を合わせることが多く、自然とセラピストとの交流が深くなることもよくあります。
若い患者の車椅子自走が速くてぶつかりそうになる
若い患者さんでは、病棟で車椅子自走のスピードが速くぶつかりそうになったという経験もあるのではないでしょうか。
また整形外科病棟で若い患者さんはスポーツによる怪我であることも多く、もともと体育会系で活動的といったことも影響しているでしょう。
歩けないことで活動範囲が狭まりストレスにもなるため、自由に移動したい気持ちがあるとは思いますが、事故に繋がらないような対策も必要です。
夜勤明けは患者さんの方が元気で励まされる
整形外科の患者さんは、内部疾患でないため朝からハキハキと話してくださることもあるあるの一つなのではないでしょうか。
夜勤明けで疲労感MAXの時に「昨晩も大変だったねえ」などと声をかけてくれて励まされることも。
受傷部位以外は元気であるため、比較的患者さんといろんな会話をする機会が多いです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は整形外科あるあるについてお伝えしました。
これから働いてみたい!という看護師の方は整形外科病棟のイメージが少しでも理解できる機会になればと思います。
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求人以外にも看護師としてのキャリアップのために必要な情報を掲載しているのでこの機会にぜひご活用ください。
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